この記事でわかること
公共工事への参加を検討している建設業者の方から、
「建設業許可を持っていれば公共工事を受注できる?」
「経営事項審査(経審)はいつ受ければいい?」
「決算変更届を出していないけれど、経審を受けられる?」
といった疑問が出ることがあります。
公共工事を元請として受注するためには、建設業許可を取得しているだけでは足りません。
一般的には、
建設業許可
↓
毎年の決算変更届
↓
経営状況分析
↓
経営事項審査(経審)
↓
入札参加資格審査
↓
入札
という流れを確認することになります。
このうち松井法務行政書士事務所では、入札参加資格申請そのものは取り扱っていません。
一方、入札参加を検討する前段階となる、建設業許可の新規・更新・業種追加、決算変更届、経営状況分析、経営事項審査についてはご相談いただけます。
この記事では、公共工事への参加を考えている建設業者が、入札の前に確認しておきたい建設業許可・決算変更届・経審について解説します。
公共工事を受注するまでの基本的な流れ
国や地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者は、建設業許可だけでなく、経営事項審査や発注機関ごとの入札参加資格などについて確認する必要があります。
大まかな流れは、
STEP1 必要な建設業許可を取得する
↓
STEP2 毎事業年度の決算変更届を提出する
↓
STEP3 経営状況分析を受ける
↓
STEP4 経営事項審査を受ける
↓
STEP5 発注機関の入札参加資格審査を受ける
↓
STEP6 入札に参加する
となります。
ただし、具体的な入札参加資格や手続きは発注機関によって異なります。
そのため、「建設業許可を取得したから、すぐ公共工事へ入札できる」というわけではありません。
公共工事を受注するには建設業許可を確認
まず確認したいのが建設業許可です。
公共工事を請け負う場合には、受注しようとする工事に対応した建設業許可を取得しているか確認する必要があります。
建設業許可は、
・土木一式工事
・建築一式工事
・大工工事
・電気工事
・管工事
・舗装工事
など、工事の種類ごとに区分されています。
現在取得している許可業種と、今後受注したい工事の業種が一致しているとは限りません。
公共工事への参加を検討するときは、最初に**「どの工事を受注したいのか」「その業種の許可を持っているのか」**を確認しましょう。
建設業許可の有効期限も確認
建設業許可には5年間の有効期間があります。
許可を継続するためには、有効期間が満了する前に更新申請が必要です。
公共工事への参加を継続して考えている会社では、
「経審は受けているが、建設業許可の更新期限が近づいていた」
といったことがないよう、許可期限もあわせて管理することが重要です。
毎年の決算変更届を提出していますか?
建設業許可を取得した後、忘れやすい手続きの一つが**決算変更届(事業年度終了報告)**です。
埼玉県知事許可の場合、事業年度が終了した後、原則として4か月以内に提出します。
決算変更届では、
・工事経歴書
・直前3年の各事業年度における工事施工金額
・財務諸表
など、その事業年度の内容を報告します。
「税理士に決算をお願いしたので、建設業関係の手続きも終わっている」
と思われることがありますが、税務申告と建設業法上の決算変更届は別の手続きです。
経審を受ける会社は特に重要
公共工事への参加を予定して経営事項審査を受ける場合、決算変更届との関係が重要になります。
経営事項審査では、工事種類別年間平均完成工事高や財務内容など、会社の経営状況・経営規模等について審査されます。
そのため、決算が終わったら、
税務申告だけで終了
ではなく
決算変更届 → 経営状況分析 → 経営事項審査
までを一つの年間スケジュールとして管理すると分かりやすくなります。
経営事項審査(経審)とは?
経営事項審査、いわゆる「経審」は、建設業者の経営状況や経営規模、技術力などを客観的に評価する制度です。
公共性のある施設または工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、原則として経営事項審査を受ける必要があります。
経審では、大きく、
経営規模等評価
と
経営状況分析
が行われ、その結果から**総合評定値(P点)**が算出されます。
この結果は、その後の入札参加資格審査などで使用されます。
「経審を受ければ入札できる」わけではない
ここは混同しやすいところです。
経営事項審査を受けて総合評定値通知書を取得したからといって、それだけで自治体などの入札へ参加できるわけではありません。
その後、発注機関が行う入札参加資格審査など、別の手続きがあります。
松井法務行政書士事務所では、入札参加資格申請そのものは取り扱っていません。
当事務所では、その前段階となる経営状況分析・経営事項審査について対応しています。
経審は毎年受ける必要がある?
継続して公共工事を発注者から直接請け負う建設業者にとって、特に注意したいのが経営事項審査の有効期間です。
経審の結果には公共工事を請け負うことができる期間があり、審査基準日から1年7か月が重要な基準となります。
たとえば、毎年決算を迎える会社が、
「前回経審を受けたから、しばらく大丈夫」
と考えて次の経審を遅らせると、公共工事を請け負うことができない空白期間が生じる可能性があります。
継続して公共工事を受注する場合には、基本的に毎年の決算後に経審を受けるスケジュール管理が重要です。
経営状況分析も必要
経営事項審査の前には、登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請します。
財務諸表などをもとに会社の経営状況が分析され、経営状況分析結果通知書が交付されます。
この結果は経営事項審査に使用します。
そのため、
決算確定
↓
決算変更届
↓
経営状況分析
↓
経営事項審査
という一連の流れを理解しておくことが大切です。
新しい業種の公共工事を受注したい場合
「今までとは違う種類の公共工事を受注したい」
という場合には、入札の前に建設業許可の業種を確認してください。
たとえば、現在持っている許可だけでは、これから受注したい工事に必要な業種をカバーできない場合があります。
すでに建設業許可を持っている事業者が、別の許可業種を追加する場合には、業種追加を検討します。
ただし、希望すればすぐ業種を追加できるわけではありません。
追加する業種について、営業所技術者等をはじめとする許可要件を満たしているか確認する必要があります。
「この工事の入札に参加したい」と考えてから許可業種が足りないことに気づくのではなく、今後受注したい工事を決めた段階で許可業種を確認することをおすすめします。
入札を考え始めた段階で確認したい5項目
公共工事への参加を検討し始めたら、まず次の5点を確認すると整理しやすくなります。
- 受注したい工事に必要な建設業許可を持っているか
- 建設業許可の有効期限は切れていないか
- 毎年の決算変更届を提出しているか
- 経営状況分析・経営事項審査を受けられる状態か
- 前回の経審から空白期間が生じないスケジュールになっているか
特に、決算変更届の未提出がある場合や、必要な許可業種を持っていない場合には、先に建設業許可関係の手続きを整理する必要があります。
まとめ
公共工事への参加を検討する場合、建設業許可を取得しているだけでは手続きは完了しません。
基本的には、
建設業許可
↓
決算変更届
↓
経営状況分析
↓
経営事項審査
↓
入札参加資格審査
という流れを確認します。
特に継続して公共工事を受注する会社では、
・建設業許可の更新期限
・毎年の決算変更届
・経営状況分析
・経営事項審査
・経審の有効期間
を年間スケジュールとして管理することが重要です。
また、新しい工事業種への参入を検討している場合は、必要な建設業許可を取得しているかも早めに確認しましょう。
建設業許可・経審でお困りの方へ
松井法務行政書士事務所では、
建設業許可の新規・更新・業種追加
決算変更届
経営状況分析
経営事項審査
などの手続きを取り扱っています。
なお、入札参加資格申請そのものは当事務所の取扱業務ではありません。
「公共工事を考えているが、経審まで何を準備すればよいかわからない」
「決算変更届を提出していない年度がある」
「経審の有効期間が切れないように進めたい」
「新しい工事業種を受注したいので、業種追加が必要か確認したい」
といった場合には、建設業許可・経審に関する部分についてご相談ください。
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