一般貨物自動車運送事業の法令試験|誰が受ける?合格基準・出題範囲・不合格時の扱い

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法令試験

この記事でわかること

一般貨物自動車運送事業の新規許可を申請すると、申請書類の審査だけでなく、法令試験に合格する必要があります。

これから運送会社を始めようとしている方の中には、

「法令試験は誰が受けるのか」

「行政書士に申請を依頼すれば試験も任せられるのか」

「何問正解すれば合格なのか」

「不合格になったら許可を取れないのか」

といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

関東運輸局の法令試験は、30問・50分で、8割以上の正解が合格基準です。

つまり、30問中24問以上の正解が必要です。

また、法人で新規許可を申請する場合、誰でも受験できるわけではありません。許可後に申請する事業に専従する常勤役員のうち1名が受験します。

この記事では、2026年7月1日から適用されている関東運輸局の法令試験の実施方法をもとに、受験者、合格基準、出題範囲、試験対策、不合格になった場合の扱いについて解説します。

一般貨物自動車運送事業の法令試験は誰が受験する?

一般貨物自動車運送事業の法令試験は、申請者が誰でも自由に受験者を選べる試験ではありません。

関東運輸局では、1申請につき受験者は1名とされています。

個人で申請する場合は、申請者本人が受験します。

法人の場合は、

許可または認可後、申請する事業に専従する常勤役員

が受験者となります。

つまり、単に試験が得意な社員を受験者にしたり、外部の人に受験してもらったりすることはできません。

行政書士が代わりに受験することはできない

許可申請そのものを行政書士へ依頼した場合でも、法令試験を行政書士が代わりに受験することはできません。

法人の場合は、実際に許可後の運送事業に専従する常勤役員のうち1名が受験する必要があります。

そのため、新規許可の準備では、

「営業所や車庫を確保する」

「必要資金を準備する」

だけではなく、

「誰が法令試験を受験するのか」

についても早い段階で決めておくことが重要です。

一般貨物自動車運送事業の新規許可

法令試験は何問正解すれば合格?

関東運輸局の一般貨物自動車運送事業に関する法令試験は、現在次の内容で実施されています。

出題数:30問

試験時間:50分

合格基準:8割以上

したがって、30問中24問以上の正解が必要です。

設問方式は、

○×方式

および

語群選択方式

です。

「半分程度正解すればよい」という試験ではありません。

8割以上という合格基準が設定されているため、許可申請を提出してから初めて勉強を始めるのではなく、早めに出題範囲や過去問を確認しておくことをおすすめします。

法令試験では何が出題される?

法令試験という名称から、

「貨物自動車運送事業法だけ勉強すればよい」

と思うかもしれません。

しかし、出題範囲はそれだけではありません。

2026年7月1日から適用されている関東運輸局の公示では、次の法令等が出題範囲とされています。

・貨物自動車運送事業法
・貨物自動車運送事業法施行規則
・貨物自動車運送事業輸送安全規則
・貨物自動車運送事業報告規則
・自動車事故報告規則
・道路運送法
・道路運送車両法
・道路交通法
・労働基準法
・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
・労働安全衛生法
・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
・製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律

このように、運送事業そのものに関する法令だけでなく、道路交通、車両、労務管理、取引関係など幅広い範囲から出題されます。

なお、法令試験では試験実施日に施行されている内容から出題されます。

古い過去問だけを暗記するのではなく、現在の法令を前提として勉強する必要があります。

試験中に条文を見ることはできる?

関東運輸局の法令試験では、参考資料などを自分で持ち込むことはできません。

一方、試験当日は、出題範囲となる関係法令の条文が掲載された条文集が配付されます。

そのため、

「すべての法律を丸暗記しなければならない」

という試験ではありません。

ただし、試験時間は50分です。

30問を解くため、単純計算では1問あたり約1分40秒しかありません。

問題を見るたびに条文集を最初から探していては、時間が足りなくなる可能性があります。

また、配付される条文集への書き込みはできず、試験終了後に回収されます。

したがって、試験対策では、

「条文を全部暗記する」よりも、「どのような問題が出るのかを把握し、必要な条文を探せる状態にしておく」

ことが重要です。

法令試験はどう勉強すればいい?

まず確認したいのが、関東運輸局が公開している過去の試験問題と正答です。

関東運輸局の公式サイトでは、過去に実施された法令試験の問題・正答が公開されています。

試験対策としては、次のような順番で進めるとよいでしょう。

1.最初に過去問を1回解く

まずは現在の実力を確認します。

この段階では合格点に届かなくても問題ありません。

どの分野で間違えているのかを把握することが目的です。

2.間違えた問題の根拠となる条文を確認する

答えだけを覚えるのではなく、

「なぜ○なのか」

「なぜ×なのか」

を条文で確認します。

特に、

・運行管理
・点呼
・運転者への指導監督
・整備管理
・事故報告
・労働時間

など、実際の運送事業でも重要になる分野は、内容を理解しておくことが大切です。

3.時間を計って過去問を解く

本番は30問を50分で解きます。

ある程度知識が身についたら、50分という制限時間を意識して過去問を解いてみましょう。

本番で条文集を調べる時間を確保するためにも、すぐ判断できる問題を増やしておくことが重要です。

4.古い問題は現在の法令と照らして確認する

過去問は有効な試験対策ですが、注意点があります。

法改正によって、過去の試験実施時と現在では正解が変わっている可能性があります。

そのため、過去問の答えをそのまま暗記するのではなく、現在施行されている法令を確認しながら勉強することが重要です。

法令試験に不合格になったらどうなる?

「1回不合格になったら、許可申請を最初からやり直すのか」

と心配される方もいるでしょう。

関東運輸局では、初回の法令試験で合格基準に達しなかった場合、翌々月に1回に限り再試験を受験できます。

つまり、1申請について受験できる機会は原則として2回です。

しかし、再試験でも合格点に達しなかった場合は、許可申請が却下処分となります。

ただし、却下処分となる前に申請者から取下げの願い出があった場合は別の扱いとなります。

法令試験は「許可申請のおまけ」ではなく、許可を受けるための重要な審査の一つです。

試験を欠席した場合にも注意

指定された試験日に自己都合で受験できなかった場合も注意が必要です。

関東運輸局では、自己都合による欠席は不合格扱いとなります。

また、試験日の変更はできないと案内されています。

1回目を自己都合で欠席した場合、残された受験機会は再試験の1回となるため、試験日が通知されたらスケジュールを確保しておくことが重要です。

法令試験はいつ実施される?

関東運輸局では、一般貨物自動車運送事業の法令試験を隔月の奇数月に実施しています。

初回の試験は、原則として許可申請書等を受理した月の翌月以降に行われます。

受験対象者には、試験実施予定日の前までに通知があります。

2026年9月時点で関東運輸局が公表している今後の日程には、

2026年9月29日
2026年11月27日
2027年1月27日
2027年3月26日

が予定されています。

ただし、これらの日程は予定であり、変更される可能性があります。

実際の受験日時・場所については、関東運輸局から送付される法令試験実施通知書を必ず確認してください。

法令試験と運行管理者試験は別の試験

一般貨物自動車運送事業について調べていると、

「法令試験」

と

「運行管理者試験」

が出てくるため、混同しやすいところです。

しかし、この2つは別の試験です。

この記事で説明している法令試験は、一般貨物自動車運送事業の新規許可などの審査において、申請者側が事業を適切に遂行するための法令知識を有しているかを確認するものです。

一方、運行管理者試験は、運行管理者資格者証の取得に関係する試験です。

法令試験に合格したからといって、運行管理者の資格を取得できるわけではありません。

反対に、運行管理者資格を持っているからといって、新規許可申請に伴う法令試験が当然に免除されるというものでもありません。

一般貨物自動車運送事業の運行管理者は何人必要?選任基準と増車時の注意点

新規許可は法令試験だけで決まるわけではない

法令試験に合格すれば、それだけで一般貨物自動車運送事業の許可が取得できるわけではありません。

新規許可では、

・営業所
・車庫
・休憩・睡眠施設
・車両
・運転者
・運行管理者
・整備管理者
・必要資金

など、事業計画全体について許可基準を満たす必要があります。

法令試験の勉強と並行して、これらの要件を整えていくことが重要です。

まとめ

関東運輸局における一般貨物自動車運送事業の法令試験は、30問・50分で、8割以上(24問以上)の正解が合格基準です。

個人申請の場合は申請者本人、法人の場合は許可後に申請する事業に専従する常勤役員のうち1名が受験します。

試験では貨物自動車運送事業法だけでなく、道路交通法、道路運送車両法、労働基準法など幅広い法令が出題対象となります。

試験当日は条文集が配付されますが、50分で30問を解く必要があるため、過去問を使って事前に十分準備しておくことが重要です。

初回で不合格になった場合には1回に限り再試験を受験できますが、再試験でも合格基準に達しなければ申請は却下処分となります。

一般貨物自動車運送事業への新規参入を検討するときは、施設・人員・資金の準備とあわせて、法令試験の準備も早めに進めましょう。

一般貨物自動車運送事業の新規許可をご検討の方へ

松井法務行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業の新規許可をはじめ、許可取得後の各種変更手続きについてサポートしています。

代表行政書士は、旅客運送の現場でバス運転士として20年以上勤務した経験があります。

「新規許可を取りたいが、何から準備すればよいかわからない」

「営業所や車庫を契約する前に許可要件を確認したい」

「必要資金が足りるか確認したい」

「法令試験の受験まで含めて、許可取得までの流れを整理したい」

といった場合は、申請準備の段階からご相談ください。

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